道路交通法が改正され、3月12日より「準中型免許」が新設されました。平成19年に「中型免許」が新設されて以来、10年ぶりの新しい免許区分です。
この新しい免許は運輸業界からの強い要望によって設けられた経緯があるようですが、確かに自動車販売の現場でもここ数年「自動車積載車」を運転できる・できないという問題が発生しています。
当社の自動車積載車は最大積載量が3、000kg、車両自体の重さまで考慮すると運転できる従業員が限られてきます。
「中型免許」が新設された平成19年改正以前に、当時の「普通免許」を受けていた従業員だけが運転することができます。現在の免許区分では「中型免許(8t限定)」を受けている者、ということになります。
当社にも新卒の従業員や若手の従業員が増えてきております。それはとても嬉しいことなのですが、積載車の運転についてだけは頭の痛い問題です。若手従業員が担当する新車が他店の自動車置き場に在庫されている場合、なぜか先輩従業員がその車両を運びに行く、という不思議な光景も今では当たり前になりました。
昔の制度がザル過ぎたのか、現行の制度が厳し過ぎるのか。
19年改正は「不慣れな大きさの車両を無理して運転したための事故」が増えたことがその背景にあったようです。
昔を賛美するつもりはありませんが、かつては「4トン車はまだ早い。もっと小さいクルマで運転に慣れてから・・・」という具合に社会的なブレーキがかかっていたことで重大な事故が抑止されていたのでしょう。
そんな余裕はいつしか失われ、乗用車の運転経験しかないドライバーでもすぐに4トン車を運転しなければならない環境になってしまったのですね。
ルールで縛らないといけないということは、正しくもあり、寂しくもあり・・・
果たして、今回の制度改正後の「普通免許」では、車両総重量3.5t未満・最大積載量2t未満・乗車定員10人以下の自動車を運転することができることになりました。
新設の「準中型免許」では、車両総重量7.5t未満・最大積載量4.5t未満・乗車定員10人以下の自動車を運転できることになりました。
今回の改正で運輸業界の人手不足は無事解消されるのでしょうか。
ところで「自動車積載車」は、リアオーバーハングが大きいため案外運転の難しい車型です。感覚的には、19年改正前の「大型免許」の試験車両の6トン車とそう違いがないように感じます。