「東日本大震災」から間もなく6年。
やはりどこか少し自分の中で、あの出来事が風化しつつあることを否定できません。
あの日、私は所用で警察署を訪れていました。その警察署は比較的新しい庁舎でしたが、今までに経験のない突然の激しい揺れの中、自分自身が立っていることだけで精一杯でした。
カウンター等の什器が滑り出してぐいぐいと自分の方に迫ってきました。
「これは尋常ではないぞ」
と思いながらも不思議なもので、揺れが収まるや否や手渡しかけていた申請書類を再び吏員に渡し、その相手も何事もなかったようにそれを受取りました。互いに努めて冷静を装っていたのでしょうか。
少し時間が経過して、警察署内は一転大騒ぎとなりました。
「市内の交通信号が機能していない」との知らせに対応するために、次々と警察官が出動して行きました。
「とんでもないことが起きているんだ」
埼玉直下の地震なのか、それともどこかの街で大地震が起きたのか、情報もなく困惑していましたが、クルマに戻りテレビを見て初めて何が起きたのかがぼんやりと分かってきました。
ひとまず店に電話連絡を試みるもなかなか繋がってくれず、それでも何度も試している内に幸いなことに話すことが叶い、ようやく人的な被害がないことを確認できました。サービス工場には車体を持ち上げるリフト設備がありますから万が一、と考えましたが杞憂に終わりホッとしたことを記憶しています。
あの日から長い時間が経ちました。
決して忘れることがあってはならない日・・・6度目の「あの日」が間もなく訪れます。