3008の安全性の高さに付いて考える、の6回目。
今回は「ESP」の話をさせていただきます。
ESP・・・Electronic Stability Program
日本では「横滑り防止機構・装置」と呼ばれております。
自動車の旋回時に姿勢を安定させる機構であり、「アクティブセーフティー」の切り札です。
※アクティブセーフティー・・・Active Safety 「能動的安全(予防安全とも)」 事故の発生を未然に防ぐための行為・装置。最近では主に、自動車の挙動が異常な状態に陥った場合(または陥りそうな場合)に、電子デバイスの働きによって正常な状態に回復させる仕組みを言うことが多い。広義には、事故の発生を未然に防ぐ行為・・・例えば「ポンピングブレーキ」なども含まれる。
⇔パッシブセーフティー・・・Passive Safety
自動車の旋回時に、アンダーステア(旋回方向の外側への逸脱)やオーバーステア(旋回方向の内側への逸脱)などの不安定な姿勢変化が生じた際に、車体を安定姿勢に戻すプログラムです。
走行速度、ステアリングの舵角、増加速度、ブレーキ圧などを総合的に判断し、車体に不自然な挙動を感じた時、4輪の制動力やエンジン出力を制御して車体の動きを安定した状態に戻します。
3008の場合は、次の機能を組み合わせた最新のプログラムが搭載されております。
トラクション・コントロール(ASR)
ダイナミック・スタビリティ・コントロール(CDS)
ABS
電子制御制動力分配システム(EBD)
緊急時ブレーキ・アシスト(EBA)
時速50kmを超えると自動的にスタンバイいたしますが、スイッチによって解除することも可能です(通常のご利用ではお勧めいたしません)。
(ご覧いただきにくいですが、点灯している2つのうち右側が「ESP」のスイッチです)
大変残念なことですが、日本においてこの安全装備の普及は著しく遅れております。
ヨーロッパでは販売される新車の約40%に装備されているのに対して、日本国内の場合は約10%。
特に小型車の分野においては、中堅以下のグレードには工場オプションとしての設定すらない場合が多く見られます。
ヨーロッパの自動車メーカーの殆どはプジョーと同じく「ESP」の呼称を用いており、ユーザーが自動車の安全度を検討する際にとても判りやすくなっています。国内では各社が独自性を強く意識してか、バラバラな呼称になっています。こういった姿勢もまた、普及に対する真摯な取組みと言えましょう。
ご紹介した3008の「ESP」は、先にご紹介したように最新の高度なプログラムを搭載しております。必ずや、大事なご家族を事故の危険から遠ざけてくれるでしょう。
但し、過信は禁物です。タイヤと道路の摩擦力が限界を超えてしまっている場合、「ESP」の効果は期待できません。カーブにさしかかるときには充分に減速をされてください。
※日本では、平成24年10月以降に国の認証を受ける「新型自動車」に対してこの装備が義務付けられることになりました(継続生産車はこの限りではない)。そして、軽自動車はさらに2年先まで猶予されるとのことです。