
ナンバーの話、実に10回目です。どんどんとディープな領域に話が及んでいきます。
その10、日本のナンバーで海外を走る(れるのか)
「道路交通に関する条約」というものがあります。それを受けて「道路交通に関する条約の実施に伴う道路運送車両法の特例等に関する法律」というものがあります(長すぎ)。
この条約を批准している国は相互の自動車の乗り入れを認めています。但し、あくまで「一時持込み」の自動車に対しての措置であり、概ね1年を超えての持込みについては「輸入」と解釈されるのが一般的です。「一時持込み」であれば課税がなされないのに対して、「輸入」となると関税などが課税されてしまいます。島国の日本はともかく、地続きのヨーロッパでは「ちょいっと隣の国まで行ってくらあ」的な事は日常です。その度に「輸出」、「輸入」を繰り返すわけにもいきません。そこでこの条約の発効に至ったわけです
さて、表題の答えを・・・日本のナンバーで海外を「走れます」。
但し、日本からそれを実行する人は稀です。それは、渡航先で「レンタカーを借り受けた方が安くて簡単だから」です。
大まかに手順をご紹介しましょう。
1、カルネを取得します。
カルネとは、自家用自動車の一時輸輸入の手続きを簡素化するための書類です。日本ではJAFがこの業務を行っています。この書類があることで、渡航先での自動車の登録が免除されます。手数料の他、万が一自動車を持ち帰ることが出来なかったときに備えての担保金なども必要になります。
2、国際ナンバーを作成します。
日本のナンバーは「漢字・平仮名」が使われており、海外の方がこれを見てもなんだか分からん、ということになります。そこで、アルファベッド表記にこれを改めたものを用意しなくてはなりません。これが国際ナンバー、またはカルネナンバー、海外渡航用ナンバーと呼ばれるものです。
3、自動車を送り出します。
自動車を船に載せて送り出します。登録自動車の場合は、あらかじめ封印をはずしておく必要があります。国際ナンバーをつけて「一時輸出」します。人は後から空路ご出発ください。
4、渡航先で楽しく過ごします。
カルネが有効なのは、一国に短期滞在する場合や複数の国を旅行する場合などに限られています。
5、自動車を日本へ戻します。
また船に載せます。楽しかった旅行も終わりです。
6、自動車を受け取ります。
再度封印を受けて一丁あがり。
一般的にこの方法で旅行をされる方は殆どいません。専ら、ラリーなどの競技に参加される方が利用されているようです。
だって高額な費用が必要になるんだもん。
この項、続く。